おすすめの粉体（粉砕）受託加工会社を紹介します！

粉体（粉砕）加工とは

製造活動において、粉体は製品の性能や品質に大きく関わる重要な要素であるため、製品の用途や目的に応じて適切に行う必要があります。食品や医薬品、化学、電子材料など、さまざまな産業分野において活用されている粉体（粉砕）加工について詳しくご紹介します。

粉体加工とは

粉体加工とは、さまざまな素材を粉状にしたり、粉体そのものの特性を変化させたりする一連の工程を指します。対象となる素材は、セラミックス、金属酸化物、樹脂、ガラス粉末、カーボン材料など多岐にわたり、化粧品、食品、電子材料など、幅広い産業分野の製品製造に利用されています。

粉体加工のプロセス

粉体加工には、複数のプロセスが存在します。ここでは、いくつかの代表的なプロセスについてご紹介します。

粉砕

原材料を粉末状に加工する工程です。使用する設備や粉砕の方法によって、粉体の粒の細かさが変わり、粗い粉末から0.001mm以下の微粉末まで、目的の粒径に加工します。粉砕加工には、衝撃式、気流式、凍結粉砕などの種類があります。

分級

粒の大きさが異なる粉体を、粒の大きさごとにグループ分けする工程です。粉砕加工後の粉体は大小の粒子が混ざった状態になるため、用途に合わせて均一な粒子径に整える目的で分級が行われます。2つのグループや複数のグループに分けることも可能です。

混合

ミキサーなどを用いて、粉末や結合剤など、複数の材料を均一に混ぜ合わせる工程です。製品の性能や品質に直接影響を与える工程であるため、適切な混合方法や装置を選定する必要があります。

造粒

粉末状の原料を結合させて、より大きな粒状に加工する工程です。湿式造粒と乾式造粒の2つの方法があります。

乾燥

材料に含まれる水分を蒸発させる工程です。流動層乾燥、真空乾燥など、さまざまな乾燥方法があります。

表面処理

粒子の表面にコーティングを行う工程です。粉体の流動性、導電性、耐腐食性、耐摩耗性、親水性・疎水性などを改善する目的があります。

充填・小分け

あらかじめ決められた容器に決められた量の材料を充填する工程です。材料などに合わせて、容器いっぱいに詰めるのか、余裕を持たせて詰めるのかなども考慮する必要があります。

プロセスは選択・組み合わせられる

粉体加工のプロセスは、粉体の種類や最終製品の目的によって選択・組み合わせることが可能です。たとえば、ある粉体を目的の粒径に細かくした後に、他の物質と混ぜ合わせる場合は、粉砕と混合のプロセスが必要になります。

粉体（粉砕）加工の種類

大きく分けて「乾式粉砕」「湿式粉砕」「低温粉砕」の3つの方法があります。これらは、原料の性質や目的とする粒子の大きさに応じて使い分けられます。粉砕方法の選定は、製品の品質やコスト、製造工程に大きく影響するため、粉体加工を依頼するうえでも押さえておきたいポイントです。ここでは、それぞれの方法の特性について詳しくご紹介します。

乾式粉砕

乾式粉砕は、水や溶媒を使用せず、大気中または不活性ガス雰囲気で乾燥した粉体同士の衝撃や摩擦によって微細化する一般的な粉砕方法です。粒子に直接エネルギーを加えることができるため、効率の良い粉砕が可能です。

スラリー化や乾燥、媒液処理といった工程が不要になるため、プロセスを簡略化しやすいというメリットがあります。しかし、粉体が細かくなるにつれて付着凝集性が増大するため、サブミクロン程度までの粉砕が限界とされています。さらに、粉体と周囲の物質が相互作用を起こし、メカノケミカル反応やメカニカルアロイング効果が発現しやすいとされています。

湿式粉砕

湿式粉砕は、粉体を溶媒と混合した状態（スラリー化された状態）で粉砕する方法です。液体中で粉砕することで、発熱や粉じんの発生を抑えながら微粒化が可能であるため、乾式粉砕では難しいナノ粉砕もでき、ナノからミクロンの幅広い粒径に対応できるのが特徴です。

粉体に合った処理条件を選定することで、再凝集を抑制し、分散状態を保つことが可能です。また、スラリーに粘性があるため、流体せん断の効果も加わり、効率良く粉砕ができます。しかし、乾式粉砕と比較すると、目的の粉体に溶媒が加わるため処理量が増加し、スラリー化や乾燥、媒液処理の工程が必要となるため、設備コストが高くなる傾向があります。

低温粉砕

低温粉砕は、熱に弱い素材や粘弾性のある素材を、冷風か液体窒素などの冷却剤で冷却しながら粉砕する特殊な方法です。この方法は、粉砕時に発生する熱によって素材が変質したり、柔らかく粉砕が困難になったりするのを防ぐ目的で用いられます。

冷却することで、通常は粘弾性のある素材もガラスのように脆くなり、効率良く微細化が可能になります。たとえば、ゴムや樹脂といった素材は、常温では粘弾性があり粉砕しにくいですが、低温で脆化させることで粉砕しやすくなります。食品の分野においては、粉砕時に発生する熱による風味や香りの劣化を極力抑えられたり、通常粉砕が困難な油分・水分の多い食品でも粉砕できたりするため、重宝されている方法のひとつです。

粉砕機の種類

粉砕機は、その作用媒体や粉砕の仕組みによっていくつかの種類に分類され、粉砕の方式によって「機械式粉砕機」と「気流式粉砕機」に大きく分けられます。それぞれが異なる原理で粉砕を行うため、原料の特性や目的とする粉体の粒度に応じて選択する必要があります。ここでは、この2種類の粉砕機の違いと、その代表的な種類について解説します。

機械式粉砕機

機械式粉砕機は、圧縮・衝撃・剪断・摩砕といった機械的な力を、ハンマーやピン、ローラーなどの可動部によって直接粉体へ加えることで粉砕を行います。

機械式粉砕機は、剪断式、ロール式、粉体層打破式、衝撃式（高速回転式）、媒体式、摩砕式に分かれており、ロール式にはさらにロール回転型とローラ回転型が、媒体式には容器駆動型と媒体撹拌型に細分化されています。そして、これらの粉砕機は、比較的安価でシンプル、粉砕条件の設定が容易であるという特長を持っています。

とくに、衝撃式粉砕機は、砕料が粉砕部に数回当たるだけで指数関数的に大きさが小さくなることが期待でき、処理能力が高いというメリットがあります。しかし、粉砕時に発熱しやすく、熱に弱い素材には注意が必要です。また、非常に微細な粒子にまで粉砕することは難しいとされています。

気流式粉砕機

気流式粉砕機は、一般的に「ジェットミル」とも呼ばれ、高速の気流（圧縮空気や高圧ガスなど）を利用して、粒子同士を衝突させることや、粒子をターゲットに衝突させることで粉砕を行います。

ジェットミルの代表的な種類には、「パン型」、「ターゲット型」、「流動層型」などがあります。パン型では、パン状の容器内で原料が気流によって高速に攪拌され、粒子同士の衝撃や摩砕によって粉砕されます。流動層型では、流動化している粉体に高圧気流を吹き込み、おもに粒子同士の衝撃や摩砕によって微細化される仕組みです。

ジェットミルは、非常に微細な粉砕が可能であり、とくに数ミクロンからサブミクロン領域の超微粉砕に適しています。駆動部がないシンプルな構造の機種が多く、摩耗による不純物の混入が少ないという特長もあります。また、エネルギー消費量が少なく、粉砕効率が高いこと、低騒音で環境汚染が少ないなどのメリットもあります。

粉体（粉砕）加工会社に委託するメリット

粉体（粉砕）加工を専門とする会社に製造を委託することは、製造業において、とくに費用や人員に関する課題を解決するうえで、さまざまなメリットがあります。ここでは、委託することによって得られる具体的なメリットについて詳しく解説します。

専門技術の活用

粉体加工会社に委託する最大のメリットの一つは、その専門的な技術とノウハウを活用できる点です。粉体加工会社は、とくに医薬品、食品、化学品など、幅広い産業分野の粉体加工に精通しており、原料が持つそれぞれの特性を深く理解し、それに応じた最適な加工方法を選定することが可能です。

開発段階で試作品の製造を依頼する際にも、目的とする粒度や形状、物性に応じた技術的なアドバイスを受けられるため、自社だけでは解決が難しい課題をクリアし、開発期間の短縮や、より高品質な製品の安定した生産につなげられます。専門的な知識と経験を持つパートナーと連携することで、製品の品質向上や生産効率の改善が期待できます。

コスト削減

粉体加工を外部に委託することで、設備投資や維持にかかるコストを大幅に削減できます。自社で粉体加工設備を導入しようとすると、粉砕機本体だけでなく、関連する機器や工場の建設、さらにそれらを維持するための費用、そして専門的な技術を持った人材を確保するための人件費など、非常に多額の費用が必要となります。

しかし、すでに必要な設備と体制を保有している受託加工会社を利用すれば、これらの初期費用やランニングコストを抑えることができるため、とくに新製品の試作や小ロット生産、または自社工場を持たない企業にとって、大きなコストメリットとなるでしょう。

サポートを受けられる

粉体加工会社に委託することで、製品の製造プロセス全体で手厚いサポートを受けることができることも大きなメリットのひとつです。新製品開発における試作品の少量依頼から、本格的な量産まで、一貫した対応をしてもらえるため、自社の生産体制に柔軟性を持たせることが可能です。

また、粉体（粉砕）加工は、原料によっては吸湿による品質劣化や、異物混入のリスクが伴う繊細な工程です。多くの受託加工会社は、品質保持のための適切な保管環境や、厳しい衛生管理体制を構築しているため、自社で管理体制をゼロから構築する手間を省き、製品の品質と安全性を確保しながら、安心して製造を任せることができます。

「粉体（粉砕）受託加工会社を選ぶ際に重視したいポイントは何ですか？」Webアンケートで調査！

粉体の受託加工会社を選ぶ際、どのような点を基準に決めればよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。実際にどの要素が選定の決め手になっているのかを知るために、WEBアンケートで調査を行ったので、結果を確認していきましょう。

第1位は「技術力・対応実績の豊富さ」でした。

粉砕や分級といった加工は、製品特性に直結する重要な工程です。そのため、高度な技術を持ち、多様な原料や業界の案件を手掛けてきた会社が信頼されやすいという結果が出ました。経験豊富な企業であれば、粒度分布や最適条件の調整など、顧客の細かい要望にも柔軟に対応できる点が評価されています。

第2位は「加工品質の安定性」でした。

粉体加工では、同じ条件で繰り返してもブレが生じやすく、品質の安定性が課題となることがあります。そのため、一定の品質を維持し続けられる体制が整っているかどうかが大切です。設備の保守管理や検査体制が充実している会社、さらにISOなど品質保証の認証を取得している会社は安心感が高いと評価されました。

第3位は「装置ラインナップの多さ」でした。

粉体といっても、材料の硬さや性質はさまざまです。微粉砕から粗粉砕、分級や混合など、幅広い工程に対応できる設備がそろっている会社は高く評価されました。ラインナップが多ければ、依頼内容に応じて最適な加工方法を選択できるだけでなく、新しい開発案件や小ロットから量産まで柔軟に対応できます。

以上がアンケートの結果となります。粉体加工は専門性が高く、会社選びが製品の完成度に直結します。依頼先を探す際は、技術力や品質の安定性に加え、設備の充実度も確認してみると安心です。

粉体（粉砕）加工を委託する際に確認したい4つのポイント

粉体（粉砕）加工を外部に委託する際、どの会社を選ぶべきか迷うことがあるかもしれません。委託先の選定は、最終的な製品の品質や今後の事業展開に大きく影響する重要な決断であるため、慎重に行う必要があります。ここでは、信頼できるパートナーを見つけるために確認すべき、とくに重要なポイントについて解説します。

技術力と対応実績の豊富さはあるか

委託先を選ぶうえで、長年の実績と幅広い対応範囲は大きな判断材料となります。粉砕しにくい熱に弱い素材や吸湿性のある原料、粒子を複合化・球形化するといった難易度の高い加工に対応できるかは、その会社の蓄積された技術力によって異なります。

とくに、多くの会社では断られたような高難易度の案件を多数手掛けている実績や、高い品質が求められる分野での加工経験がある会社は、技術面での信頼度が高いといえます。また、加工対象の多様さや、少量の試作から大量生産にまで対応できる柔軟性、そして継続利用される信頼性にも注目して、長期的なパートナーとして適しているかどうかを見極めましょう。

装置の種類や機能は目的に合っているか

粉体加工は、原料の種類や最終製品の目的に応じて、最適な装置が異なります。設備ラインナップが豊富な粉体（粉砕）加工会社に委託することで、機械式粉砕機やジェットミルといった多様な粉砕機のなから、目的に合った最適な方法を提案してもらいやすくなります。

たとえば、超微粉砕が必要な場合は高性能な分級機を搭載したジェットミル、低融点の材料には低温粉砕が可能な設備といったように、加工対象の特性に合わせた装置を使い分けられるかを確認すると安心です。また、粉砕だけでなく、分級、混合、乾燥、粒子設計といった複数の工程を組み合わせて対応できるかどうかも、総合的なサポートを受けるうえで大切なポイントです。

加工品質や安定性に信頼がおけるか

粉体加工では、高い品質と安定した仕上がりを維持することがとくに重要です。そのため、依頼する粉体（粉砕）加工会社の品質管理体制は必ず確認しましょう。たとえば、清浄加工室の有無、装置の分解洗浄の徹底といった、不純物混入を防いだり品質を担保したりするための精密な品質管理がされているか、その具体的な取り組みに注目しましょう。

また、再現性のある仕上がりが可能かも重要な基準です。数値化しづらい「対応力」や「柔軟性」も、最終的な品質に大きく影響するため、実際に委託した企業の口コミや評判なども参考にしつつ、実際に相談しながら品質面や安定性の面で信頼できるかどうかを確認しましょう。

加工条件や装置情報はどの程度開示されるか

一般的な委託加工では、加工条件が企業秘密として伏せられているケースが少なくありません。しかし、将来的に自社での内製化を検討している場合、粉体（粉砕）加工会社の情報開示のスタンスは比較の大きなポイントになります。

委託加工の実績から装置構成や加工条件を明示してもらえる会社であれば、内製化への移行をスムーズに進めやすくなります。また、加工への立ち会いを希望できるかどうかも確認しましょう。製造現場を直接見学することで、品質管理の徹底度や技術力を肌で感じることができ、安心して委託を判断する材料になります。

信頼できる粉体（粉砕）受託加工会社を見つけよう

粉体（粉砕）加工会社の選定は、製品の品質や事業の効率を大きく左右します。加工方法や装置の種類を理解し、そのうえで技術力、品質管理体制、情報開示といった点を総合的に比較することが重要です。専門性の高い粉体加工を外部に委託することで、自社での設備投資や維持管理の手間を省きつつ、高品質な製品を効率的に製造することが可能になります。信頼できる粉体（粉砕）受託加工会社を見つけて、新たなビジネスチャンスにつなげましょう。